海外滞在時の緊急連絡先、ネットで変更可能に…武漢からの退避に手間取る

　外務省は、日本人が海外に長期滞在する際に緊急連絡先などを届け出る手続きを改善する。事故などに巻き込まれた際に迅速に支援する狙いがある。来年度中の実施を目指し、今年度第３次補正予算案と来年度当初予算案にシステム改修などの関連費計３億３０００万円を計上した。

　海外に３か月以上滞在する日本人は、緊急連絡先や滞在先の住所などを記した在留届を在外公館に提出することが義務づけられている。届け出は書面でもインターネットでも可能だが、書面を選んだ場合、引っ越しなどで記載内容を変更する際も、書面で手続きを行う必要がある。

　ただ、書面手続きの煩わしさから内容変更を届け出ない在外邦人も多いため、最初に書面で手続きした場合でもインターネットで内容変更できるようシステムを改めることにした。

　新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府は今年１月から中国・武漢市などで邦人をチャーター機で退避させた。その際、在留届の緊急連絡先に電話がつながらず、退避に手間取った経緯があり、在外邦人の緊急連絡先や居場所の把握が懸案となっている。

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