高齢者２割負担　審議入り　７５歳以上の医療費

衆院本会議で答弁する菅首相（８日午後、国会で）＝源幸正倫撮影

　７５歳以上の後期高齢者の医療費を巡り、年収２００万円以上の人の窓口負担を１割から２割に引き上げる高齢者医療確保法改正案が８日、衆院本会議で審議入りした。現役世代を重視する菅首相が自ら取りまとめにあたった肝いりの法案で、政府・与党は今国会中に成立させたい考えだ。

　「全世代が安心できる社会保障制度の構築は待ったなしだ。給付は高齢者中心、負担は現役中心というこれまでの社会保障の構造を見直す」

　首相は本会議でこう答弁し、２割負担の実現に強い意欲を示した。

　政府が高齢者の負担増に踏み込むのは、団塊の世代が２０２２年から後期高齢者入りし、医療費のさらなる増大が見込まれるためだ。引き上げの対象は、単身世帯で年収２００万円以上、夫婦ともに７５歳以上の世帯で年収計３２０万円以上の人で、約３７０万人。これにより、後期高齢者医療制度での現役世代の負担は年７２０億円程度軽減される計算だ。

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