コロナ後遺症　生体肺移植…京大病院　世界初　夫と息子が提供

　京都大病院は８日、新型コロナウイルスに感染して重い肺障害を起こした関西地方の女性に、夫と息子から提供された肺の一部を移植する手術を行ったと発表した。手術は無事に終了し、夫と息子の経過も良好だという。京大病院によると、コロナ感染で肺に後遺症が残る患者への生体肺移植は世界で初めてという。

　京大病院によると、女性は昨年末、新型コロナに感染し、呼吸状態が悪化。関西地区の病院で、体外式膜型人工肺（ ＥＣＭＯ（エクモ） ）を装着した。その後、検査で陰性が確認されたが、後遺症で両肺が硬くなり、機能しなくなった。

　３月中旬、入院先の主治医が京大病院に移植について相談。家族が臓器提供を申し出たため、女性の両肺を全て摘出し、夫の左肺の一部と息子の右肺の一部を移植することになった。４月５日、京大病院に転院し、７日、約１１時間かけて移植が行われた。

　女性は現在、集中治療室（ＩＣＵ）に入っているが、順調なら今後２か月で退院できる見通しだ。８日朝には呼びかけに目を開けるなどの反応を見せたという。

　国内では肺移植を希望する患者の平均待機期間は２年余りと長く、緊急移植が必要なケースで脳死移植は難しい。京大

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