アジア開銀　対コロナ存在感…年次総会開幕　ＡＩＩＢと協調融資も

ＡＤＢ年次総会の関連会議では、新型コロナウイルスの感染拡大からの回復策などについて議論が交わされた（左は浅川総裁、ＡＤＢ提供）

　【バンコク＝山村英隆、北京＝小川直樹】オンライン方式で３日に年次総会が開幕したアジア開発銀行（ＡＤＢ、本部・マニラ）は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、財政力に乏しい発展途上国への支援で存在感を示している。中国主導のアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）とは、協調融資も増えるなど関係が変わりつつある。

ワクチン

　ＡＤＢは４月２６日、太平洋の島国であるサモア、トンガ、ツバル、バヌアツに対し、計１８９０万ドル（約２０億円）のワクチン調達費を支援する計画を発表した。この計画は、ＡＤＢが昨年１２月に発表した総額９０億ドル（約９８００億円）の支援パッケージに含まれる。

　資金援助は、ワクチンの共同購入・分配に関する国際的な枠組み「ＣＯＶＡＸ（コバックス）」を通じた調達など、必要な条件を満たした場合に受けられる。ＡＤＢの浅川雅嗣総裁は、３日の総会の冒頭で、「今、必要とされているのは、公平で効果的なワクチン配布

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