関節リウマチとお金＜４＞妊婦に公的助成必要

　愛知県知立市の林英津子さん（４１）は３０歳だった２０１０年夏、標準的な抗リウマチ薬メトトレキサート（ＭＴＸ）の服用をやめた。

　リウマチを発症した２５歳の時から飲んでいたＭＴＸは、おなかの赤ちゃんに悪影響を与える恐れがあり、妊娠中の使用は禁忌だ。近くの秋田病院のかかりつけ医、加藤知里さんに「そろそろ赤ちゃんがほしい」と話すと、休薬を勧められた。

　一方、病気を引き起こす物質の働きを抑える生物学的製剤（生物製剤）を併用していたが、妊娠に悪影響はないとして継続することになった。２週に１回注射するタイプで、毎月の自己負担は３割負担で約３万７０００円と高額だ。

　だが、林さんは医療費が全額、自治体から助成されていたため、支払う必要はなかった。関節リウマチの状態が悪化して指が動きにくくなり、０８年に「身体障害者３級」に認定されたからだ。「このおかげで経済的な心配をせずに、高額な生物製剤を使うことができた」と振り返る。

　生物製剤だけになっても症状は抑えられ、その後、３４歳で妊娠し、出産。長男はこの春、小学校に入学した。「生物製剤を使えなければ、子どもを諦めざるを得なかったかもしれない。そう思うとゾッと

続きを読む