「働きたい」を支える＜中＞　知恵を絞って介護離職を防げ…「遠距離介護」や「仕事との両立」を支援

　団塊世代が７５歳以上となる２０２５年が近づき、介護と仕事の両立が大きな社会的課題となっている。家族の介護を理由とした離職を防ぐにはどうすればいいのか。介護に直面した現役世代に目を向け、心身の負担を軽減しようとする試みが始まっている。

都内の自室で、スマートフォンの画面越しに友子さんとやりとりする益尾さん

　「ちゃんと毎日、ごはん食べてるかい？」。会社員、益尾利章さん（６３）は仕事が休みのこの日、都内の自室から、鳥取県米子市の高齢者住宅で暮らす母・友子さん（８８）に話しかけた。

　画面の中で友子さんがほほ笑む。その隣で、看護師の神戸貴子さん（４７）が「食欲があまりない日があるんです」と益尾さんに伝え、たんぱく質を補うスープを買って差し入れることを提案した。

　益尾さんは、神戸さんらの訪問看護サービス「わたしの看護師さん」を使い、遠距離介護を続けて６年目になる。

　月に１度の訪問で体調の変化や生活の様子の確認を依頼。この日のような画面越しの会話も、回線をつないでセットしてもらう。季節ごとの衣類

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