医療的ケア児と家族＜２＞退院後支援へ「地域会議」

　「家に戻った後も、助けてくれる人がいるんだ」。４年前、根本 華蓮（かれん） ちゃん（４）の退院を前に、東京都立小児総合医療センター（府中市）で「支援会議」が行われた。自宅で医療的ケアを続けていく一家のため、医師などが集まった。母親の三和子さん（４４）は「これから娘と暮らしていく心づもりができた」と振り返る。

　華蓮ちゃんは先天的に肛門と尿道がふさがっている重い病気だ。おなかの中にいる間はのみ込んだ羊水を体外に排出できず、腹部が大きく膨らんでいた。医師からは「肺も小さい。生きられる可能性は低い」と告げられた。２０１９年２月、帝王切開で先に取り上げられた双子の姉に続き、小さな泣き声が聞こえた。

　ハスは泥の中でも美しい花を咲かせる。「華蓮」という名前は「どんな困難があっても大きな花を咲かせてほしい」との思いを込め、夫婦で決めた。

　出生翌日には人工肛門（ストーマ）をつくる手術を受けた。５か月に及んだ入院期間中、三和子さんは看護師からストーマのパウチ（便を受ける袋）の交換方法、在宅酸素療法に使う機器の使用方法などを教わった。だ

続きを読む