二代目市川猿翁さん死去、８３歳…「ヤマトタケル」「オグリ」スーパー歌舞伎で人気

　けれん味あふれる「スーパー歌舞伎」で人気を集めた歌舞伎俳優の二代目市川猿翁（いちかわ・えんおう、本名・喜熨斗政彦＝きのし・まさひこ）さんが１３日、不整脈で死去した。８３歳だった。葬儀は親族で行う。後日、お別れの会を開く。

二代目市川猿翁さん（右）＝２０１２年５月撮影

　祖父は二代目市川猿之助（初代猿翁）。１９４７年に三代目市川 団子（だんこ） を名乗って初舞台。６３年に三代目猿之助を襲名した。

　古典演目の見直しや埋もれていた演目の復活に取り組み、宙乗りや早替わりなどの「けれん」（見た目の派手さを狙った演出）を重視した娯楽性が高い作品の上演に活路を見いだした。国立劇場養成所出身者など「門閥外」の俳優を抜てきし、 澤瀉屋（おもだかや） 一門を形成した。８６年には哲学者・梅原猛脚本の「ヤマトタケル」を初演。以来、「スーパー歌舞伎」と銘打って「オグリ」「新・三国志」などヒット作を連発、歌舞伎界に新風を吹き込んだ。

２代目市川猿翁さん（２０１２年撮影）

　２００３年に脳 梗塞（こうそく） で倒れ、療養生活を送っていた。１２年６

続きを読む