“住宅弱者”に家賃を抑えて貸し出す仕組み　広がらず…対象はひとり親や高齢者の世帯

　ひとり親や独居の高齢者など、大家に敬遠されがちな世帯に対し、民間住宅の貸し出しを促すため、国と自治体の補助制度がある。低所得の世帯に相場より家賃を抑えて貸すと、値下げ分として月額最大４万円までを国と自治体が負担する。ただ、この仕組みが適用される住宅は全国で約５３００戸にとどまり、専門家は制度の見直しを求めている。（板垣茂良）

　この住宅は「住宅確保要配慮者専用住宅（専用住宅）」。２０１７年１０月に施行された改正住宅セーフティネット法に基づき誕生した。家賃のほか、耐震強化やバリアフリー化の工事費も補助の対象となる。

　「生活は楽ではないけれど、家賃を下げてもらっているので親子２人で何とかやっていけます」。離婚を機に、横浜市にある専用住宅で娘（５）と暮らす４０歳代の女性は話す。

　この専用住宅は２１年、同市に登録された女性専用のシェアハウスだ。一軒家で、親子の居室は２室あるうちの１室（約２０平方メートル）。リビングや台所などの共用部分も自由に使える。

　毎月の家賃は約９万円。パートタイマーとして働く女性の月収は約１０万円しかないものの、納める家賃は約５万円（光熱費別）。差額の

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