機能性食品、誤解を招く広告が横行か

　２０１５年の機能性表示食品制度の施行以降、機能性表示食品の市場は拡大し、食品メーカー主導ではなく医薬品開発業務受託機関（ＣＲＯ）が行う機能性食品の臨床試験も増えている。しかし、それらの研究の質や結果の広報状況については十分に検討されていない。総合病院国保旭中央病院（千葉県）総合診療内科医長の染小英弘氏らは、機能性表示食品に関する試験の研究の質および広報内容（プレスリリース、広告）を検討するメタ疫学研究を実施。一部の機能性食品の研究論文および広報に、実際よりも優良と誤認させるような結果と結論の不一致が認められたとの結果をＪ　Ｃｌｉｎ　Ｅｐｉｄｅｍｉｏｌ（ ２０２４年２月２６日オンライン版 ）に報告した。

(C)Adobe Stock　※画像はイメージです

　日本で機能性の表示が可能な保健機能食品は、〈１〉特定保健用食品（トクホ）：事業者の申請に基づき食品安全委員会と厚生労働省が有効性や安全性を審査、消費者庁の許可が必要、〈２〉栄養機能食品：既に科学的根拠が認められている栄養成分を一定量含有すれば許可・届け出は不要だが、

続きを読む