サイバー防御　法整備加速　医療機関の対処強化も…自民提言原案

　サイバー安全保障の対応能力強化などを巡り、自民党の経済安全保障推進本部（甘利明本部長）がまとめた提言の原案が判明した。重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向けた法整備の加速化を求めたほか、医療機関に対する攻撃への対応強化も盛り込んだ。

　原案は、「データの窃取や情報通信技術サービスの途絶、サイバー攻撃の増加」に対応する必要性を強調。その上で、「法整備に向けた準備をなお一層加速し、サイバー防御能力の確立」に向け十分な措置を講じるよう訴えた。

　医療機関へのサイバー攻撃が相次いでいることを踏まえ、通信回線装置などの重要設備を導入する際に国の事前審査の対象となる電気、空港などの「基幹インフラ」に、「医療」分野の追加を検討するよう求めた。

　サイバー防御以外では、中国を念頭に、貿易などを制限して相手国に圧力をかける「経済的威圧」に対抗するため、先進７か国（Ｇ７）など同志国との連携強化を求めた。推進本部は政府の「経済財政運営と改革の基本方針」（骨太の方針）策定に向け、近く提言を政府に提出する。

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