［芸人　おばあちゃんさん］（下）３８歳で乳がん　入退院繰り返しながら６４歳まで会社勤務　人工乳房に悩んだ経験は論文にして学会発表

　吉本興業所属の「最高齢の若手芸人」として人気急上昇中の芸人「おばあちゃん」さんは、親の反対で高校に行かせてもらえず、中卒で働いて学費をため、通信制の高校や大学で学びました。３８歳のときに乳がんが見つかり、死を覚悟したこともあったそうです。さらに芸人デビューした後も兄の介護が重なるなど、波瀾万丈の人生を歩んでいます。（聞き手・藤田勝、撮影・小倉和徳）

【おばあちゃんの動画】

――どんな子ども時代でしたか。

　戦後の貧しい時代で、女は家のことをすればいいという風潮が残っていたので、「高校に行きたい」と言っても、母に「女に学問はいらない」と反対されました。それで中学卒業後はひとまず就職し、自分で学費をためて、通信教育で高校、短大、４年制大学まで卒業しました。勉強ができる方ではなかったのですが、大学というものにあこがれがあったんです。でも母がそういう考えの人だったので、もう頼れないと思って早めに自立しました。

――きょうだいは何人？

　７人いましたが、戦後間もないので３人は１歳に満たないうちに、はしかなどで亡くなったそうです。母は体が弱く

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