小学生の頃、親から虐待　選んだ里親ともうまくいかず…児相で暮らす子に話を聴く活動を続ける原動力は？

社会的養護の子どもの意見表明を手伝う…川瀬信一さん（３６）

　東京都内の児童相談所を訪問し、親からの虐待などで一時保護されている子どもたちから、今後の暮らしへの希望を聴く活動をしています。子どもが自分の意見や願いなどを表明できるように耳を傾け、一緒に声を上げる取り組みで、「子どもアドボカシー」と呼ばれています。イギリスやカナダで活動が広がっています。

　私も小学４年と６年の時、児相に一時保護され、里親家庭や児童養護施設などで育ちました。この経験が今、親元から離れて暮らす「社会的養護」の子どもから、話を聴く取り組みの原動力になっています。

　小学生の頃、親から虐待を受けていました。学校の先生が気づき、児相に保護されました。

　卒業後、どこで暮らすのか――。児相の職員が「里親がいいですか、児童養護施設がいいですか」と選択肢を示して丁寧に聞いてくれました。友達を呼べるほうがいいと思い、「里親がいいです」と答えました。

　里親との生活では、庭の花の水やりなど簡単な手伝いを頼まれたのに十分できませんでした。自信を失う中、苦手な事や困り事を言えなくなっていきました。「お小遣いがほしい」と言い

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