［医療ルネサンス］お尻を知る＜４＞クローン病が原因の例も

　直腸から入った菌による 膿（うみ） が、肛門周辺の皮膚に達してできものとなり、その通り道がトンネルのように残る「 痔瘻（じろう） （あな痔）」。消化管に慢性的な炎症が起こる難病「クローン病」が原因となるケースもある。

症状が悪化した当時の生活を井上さん（右）と振り返る杉山さん（５月１８日、愛知県豊明市で）

　愛知県の高校２年、杉山靖明さん（１７）は、中学３年の夏にクローン病が判明した。診断までに時間がかかり、「一番つらいときは命の危機さえ感じた」という。最初の異変は、小学６年の冬。肛門周辺が腫れて、 裂肛（れっこう） （切れ痔）のようになることもあった。下痢の頻度も増え始め、徐々に症状が進んだ。

　２０２２年、中学３年になると生活に支障が出てきた。５月、近くの病院の肛門科で「皮膚の病気です」と言われ、皮膚科の受診を勧められた。急ぐべきか尋ねると、「今まで命に別条なかったんだから、夏休みでいいよ」と説明された。

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