子どもの水難事故　中高生でも相次ぐのはなぜ？　溺れても周囲の人は気づかない理由…事故を防ぐのに必要な準備

　学校が夏休みに入り、子どもが水遊びを楽しむ機会も増えます。一方で、今夏も各地で水の事故が相次いでいるように、１年間の水難事故の５～６割が７～８月に集中しているというデータもあります。したがって、この時期は特に水難事故に気をつけたいところです （１） 。

　悲しい事故を防ぐためには、どうして溺れるのか、どのように溺れるのかを知ることが重要です。そこで今回は、溺水の予防や、いざという時の対応について考えてみたいと思います。

　まず、子どもが溺れやすいのはどの年齢層でしょうか。米国のデータで、小児人口１０万人当たりの溺水による死亡者数を示した図がこちらです （２） 。縦軸が人数、横軸が年齢を表しています。３歳以下と中高生に多いことがわかります。これは日本も同様です。

小児人口１０万人あたりの死亡者数（２０２０）　出典：参考文献（２）より筆者作成

　なお、２歳以下の溺水の多くは家庭内で起きています。米国では自宅のプール、日本では浴槽になります。こちらは日本のデータですが、３歳以降になるとプールや河川での比率が上

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