勤務医の研究時間確保…文科省　診療と両立　大学に補助

　文部科学省は来年度、大学病院で働く医師らの研究時間を確保するため、業務負担の軽減などに取り組む大学に補助金を支給する制度を創設する。勤務医の残業時間に上限を設けた「医師の働き方改革」が今年４月に始まったことを受け、規制の範囲内で研究時間を確保してもらい、創薬研究や新たな治療法の開発が停滞しないようにする。

　患者数の増加などにより、大学病院や医学部に所属する医師の多くは勤務時間の大半を診療に充て、研究に専念できる時間が少ない。

　一方、日本の医学研究は低迷傾向にある。国の調査によると、臨床医学分野で他の研究論文に引用された回数が上位１０％に入る「トップ１０％論文」の数は、１９９９～２００１年の平均で世界４位だったが、１９～２１年は９位に下落した。

　医師の働き方改革では、勤務医の残業に原則年９６０時間の上限が設けられた。研究時間の確保は今後、さらに難しくなる恐れがある。

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