［医療ルネサンス］がん患者会　コロナ禍を経て＜３＞参加者ゼロでも待ち続け

　神戸市東灘区のＪＲ住吉駅近くの雑居ビル２階にある昔ながらの小さな喫茶店。「ウェル・リビングを考える会」は月１回、店内で「まちなかカフェ・がん相談室」を開く。

喫茶店で和やかに会話を楽しむ藤本さん（中央奥）とがん患者ら（６月、神戸市で）

　がん患者とその家族が、くつろいだ雰囲気の中で、病と向き合い、参加者同士で悩みを分かち合う狙いがある。６月の相談室では、患者ら１０人ほどがテーブルを囲み、飲み物を片手に会話を楽しんでいた。

　初めて参加する人もいれば、常連さんもいる。兵庫県芦屋市の三木啓義さん（４９）は１年半ほど前から通う。２０１９年に 膵臓（すいぞう） がんと診断され、抗がん剤治療を続けている。「笑い話でつらいことを忘れられる時もある。生きるためのヒントをもらえる」と笑顔を見せる。

　傍らで、同会代表の藤本啓子さん（７２）が静かにうなずいた。

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