暑さが続くと増えてくる胃の不調を訴える患者…機能性ディスペプシアってどんな病気？

　今年はものすごく暑い夏でしたが、９月になると胃の不調を訴えて受診される患者さんが目に付き始めます。５０代の男性は、「暑いと体がだるくて、胃が重くて食欲もない」と来院しました。夏の間に体重が２キロ減ったこともあって、胃がんも心配だったそうです。結論から言えば、この男性は、「機能性ディスペプシア」と診断。以前なら慢性胃炎とか神経性胃炎と言われましたが、１０年ほど前からこの病名を診断名で使っています。胃カメラで異常が見られないのに、症状が出るのがこの病気です。

　この男性は、食後の胃もたれ感や、みぞおち付近の痛みがありました。暑いので冷えたビールや冷たい飲料水を空腹時に飲んでいたそうです。昨年の夏も同様の症状が出たと言います。本人の希望もあり、胃カメラで検査をすると、軽いただれがありましたが、胃がんの兆候はありません。血液検査も異常なし。

　この病気では、ほかに食後の腹部膨満感や少量での満腹感、胸やけやむかつき、吐き気が出ることもあります。胃の不調を示す比較的新しい概念が、機能性ディスペプシアです。

　では、どうして症状が起こるので

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