がん細胞を「骨膜」がブロック、浸潤を抑える働き…新治療法につながる可能性

　骨を包む「骨膜」には、がん細胞に反応して防御壁を作り、骨への浸潤を抑える働きがあることを東京大などの研究チームが発見した。がんの進行を食い止める新たな治療法の開発につながる可能性がある。研究成果が国際科学誌「ネイチャー」に掲載された。

　人の骨は、幹細胞やコラーゲンからなる薄い骨膜に覆われている。骨膜を巡っては、炎症や外傷の刺激で厚くなって骨が形成される現象などが知られていた。研究チームは今回、口の中にできる 口腔（こうくう） がんの患者８人の組織を観察した。

　その結果、がん細胞が骨膜に近づくと、特定の遺伝子が働いて骨膜が３～４倍に厚くなって防御壁を形成し、がん細胞の骨への浸潤を食い止める現象を確認した。さらに、この遺伝子が働かないようにしたマウスにがん細胞を移植すると、通常のマウスに比べて骨への浸潤が進み、生存率が大きく低下した。

　研究チームの塚崎雅之・東京大特任准教授（骨免疫学）は「免疫細胞以外の

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