［黒田福美さん］骨髄浮腫症候群（２）床に足をつくだけで、骨が砕けたかのような強烈な痛み…治まるまで１年

　 壊死（えし） して治るはずのない足首の 距骨（きょこつ） が画像検査で回復しつつあることがわかった。「あり得ないことなので、みんな不思議でした」。体の重みで距骨がつぶれないように着けていた脚の装具を外すことになった。

　今度は、床に足をつけただけで、足全体の骨が粉々に砕けたかのような強烈な痛みに襲われた。病気によるものではなく、長い間、体重をかけなかったことで足全体の骨が 萎縮（いしゅく） を起こしていたためだった。「再び歩ける日がくるだろうか」と不安になるほどの痛み。普通に歩く人がうらやましく、ネットできれいな靴を何足も購入し、履いて歩く自分の姿を想像しながらリハビリを続けた。症状が治まるまで１年ほどかかった。後遺症もなかった。

　だが、しばらくすると、右股関節に引きつるような痛みが生じ、徐々にひどくなって松葉づえなしでは歩けなくなった。撮影現場では、普段通りに振る舞いつつ、「ちょっと脚を痛めて」とごまかした。近隣の病院で、 大腿（だいたい） 骨頭壊死と診断された。

　紹介された杏林大病院（東京）では、画像をみた副院長で整形外科医の市村正一さん（現・杏林大杉並病院長）から「骨髄浮腫はあるが、骨壊死はない」ことと、

続きを読む