［医療ルネサンス］移植逼迫　米国の現場から＜上＞ドナー家族支援　重要業務

「ギフトオブライフ・ドナープログラム」の建物内に飾られたキルトについて説明するバーンズさん（９月、米ペンシルベニア州フィラデルフィアで）

　米ペンシルベニア州フィラデルフィア近郊に住むゲーリー・スティーバーさん（７０）は２０２２年夏、三男デーブさん（当時４０歳）を転落事故で亡くした。その数年前には五男を自死で失っており、「また同じ悲しみを味わうのか。立ち直るのに何年かかるのだろうか」と、駆けつけた病院でぼう然とした。

　だが、フィラデルフィアに本部を置く臓器あっせん機関「ギフトオブライフ・ドナープログラム」が派遣したコーディネーターと話すうちに、光が見えてきた思いがした。デーブさんは生前、ドナー（臓器提供者）登録をしており、 膵臓（すいぞう） と腎臓が待機していた患者へ提供された。

　スティーバーさんは「コーディネーターとの穏やかで敬意に満ちた会話の中で、息子の人生は、彼の４０年という時間を超えて次の世代に受け継がれて

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