［医療ルネサンス］背骨の変形＜１＞６歳を待ち　半年ごと手術

６歳から半年に１度、手術を受ける女児（愛知県一宮市で）

　東京都内に住む小学３年の女児（８）は生まれた直後から産声を上げることができなかった。新生児集中治療室（ＮＩＣＵ）に緊急搬送され、エックス線検査の結果、背骨が湾曲しており、 側彎（そくわん） 症とわかった。

　側彎症は、ねじれを伴い背骨が左右に曲がる病気だ。思春期の女子に多いが、生まれつき変形しているケースもある。女児の背骨は前方にも曲がり、気管や肺が圧迫され呼吸もままならない状態だった。直ちに気管切開を行い、喉に管を通し気道を確保した。人工呼吸器などを使い１歳半まで入院生活を送った。

　退院後は信頼できる医療機関がなかなか見つからなかったが、かかりつけ医の紹介で２歳の頃、都内の病院で２か月に１度診療していた整形外科医の川上紀明さんを受診した。「このままだと背骨がどんどん曲がり、脊髄や肺が圧迫される」と手術を勧められた。

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