［継ぐ　つなぐ］＜２＞孤島の若先生と大先生　父子　礼文の医療守る

　北海道稚内市から西へ約６０キロ、約２２００人が住む 礼文（れぶん） 島。昨年１２月中旬、日本海最北の離島にある「礼文町国民健康保険船泊診療所」には大勢の患者が訪れていた。「若先生と大先生がいてくれて安心です。この年になると、なかなか島の外には出られないから」。手術後の検査に訪れたという島で暮らす女性（９３）がそう言って笑顔を見せた。

患者を検査する所長の升田晃生さん（右）と父の鉄三さん

　診療所長を務めるのは、島出身の升田 晃生（あきお） さん（３９）。５年前に医師として戻り、それまで１人で診療を続けてきた父鉄三さん（７０）と２人で島の医療を支える。「この島で最善を尽くす」。父の思いを継承し、患者と向き合う日々だ。

　町立の診療所は、昔から実家の向かいにある。子供の頃は、目の前に広がる診療所の駐車

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