脳性まひ補償　注意喚起…評価機構　医療機関に　申請依頼拒否　指摘で

　出産時に重い脳性まひとなった子どもに補償金を支給する産科医療補償制度をめぐり、運営する公益財団法人・日本医療機能評価機構が、全国の医療機関に対し、保護者から補償申請の依頼があった場合は手続きを行うよう求める文書を出した。一部の医療機関が依頼を拒否したとの指摘があり、注意喚起が必要と判断した。制度上、補償申請の拒否は認められていない。

　産科医療補償制度は、脳性まひ児と家族の経済的負担を軽減するため、国が２００９年に創設した。保護者の依頼を受けて医療機関が機構に申請し、条件を満たせば、３０００万円の補償金が支給される。対象となった全ての事例は、専門家が原因を分析して報告書を作成し、再発防止に生かす仕組みだ。

　機構によると、外部の弁護士から２４年２月、医療機関が申請を拒否したケースが２件あったとの指摘を受けた。このうち１件では医療機関側が制度を利用しなければ３０００万円を超える損害賠償金を支払うが、「利用した場合は支払えるか分からない」などと、保護者に持ちかけたという。

　機構は「賠償金支払いの有無や金額の多寡にかかわらず、申

続きを読む