小児急性リンパ性白血病　従来と同じ薬を使い、合併症を減らす取り組み…全国１４４病院で臨床試験

　子どもの白血病の中で患者数が最も多い「急性リンパ性白血病」。治療法は確立されていますが、患者の負担も大きく心臓病や成長障害などの合併症が課題となっていました。全国の１００以上の病院で薬剤の量や使用方法を変更する臨床試験が行われ、現在は体への影響を軽減し、より効果の高い治療が可能となっています。（鈴木希）

　血液中の赤血球や白血球、血小板は、骨髄の造血幹細胞が分化・増殖して作られます。白血病はこの過程でがん化し、正常な白血球が作られなくなる病気です。いくつかのタイプがあり、急性リンパ性白血病は血小板や赤血球が減少し、だるさや息切れ、鼻血などの症状が表れます。感染症や合併症の悪化で亡くなる人もいます。

　治療は、〈１〉がん化した白血病細胞を減らして正常な細胞を回復させる「寛解導入療法」〈２〉顕微鏡レベルで確認できないものの、わずかに残る白血病細胞を減らす「強化療法」〈３〉通院しながら白血病細胞を根絶し再発を防ぐ「維持療法」――の流れで進めます。ただ、薬剤の量や放射線治療の回数など医療機関により対応は異なりました。そこで、より効果的で合併症を抑えられる統一した方法を探る研究が始まりました。

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