中堅社員は静かに辞めていく　会社の将来に不安…おじさん社員が感じる、バラバラになっていく職場とは

　近年、企業のリストラが増加し、再三にわたる人員削減や組織の統廃合が行われることも少なくありません。このような組織で残された社員は、年代それぞれにストレスにさらされていますが、精神科産業医として面談を担当していると、特に若手社員のストレスが深刻化しているように思えます。リストラの渦中にある社員の声を紹介します。

　２３歳、メーカー営業部の加藤太郎さん（仮名）が相談室を訪れました。

産業医　： 精神科産業医の夏目です。表情が沈んでいるようですが、大丈夫ですか？

加藤さん： うちの会社で特に関西事業所が大規模なリストラでドタバタしているのはご存じですね。その関係で心が折れそうです。

産業医　： ええ、人員削減や組織改編で大変なようですね。何か具体的にお困りのことがありますか？

加藤さん： 私は１年目で入社半年後から営業の仕事をしています。７年目の先輩とペアになって車で一緒に取引先企業を回りながら営業を学んできました。先方と顔なじみになり、雑談を交えながら商談に入り、うまくいけば契約、発注、支払いとなります。

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