［医療ルネサンス］増える高齢者の救急搬送＜３＞延命の是非　多職種で議論

延命治療を続けるかを検討する緊急会議。医師や看護師の報告がホワイトボードに書き込まれていく（千葉県浦安市で）

　助かる見込みがなくても延命治療を続けるか、中止して苦痛の緩和を優先するか。救急医療の現場では、様々な葛藤に直面する。

　「抗菌薬の効果は見られず、敗血症性ショックの状態。治療の限界です」

　今年冬、東京ベイ・浦安市川医療センター（千葉県浦安市）の集中治療室（ＩＣＵ）で、多職種による緊急会議が開かれた。

　患者は７０歳代男性で、今年に入り、インフルエンザに感染した。近くの診療所で治療を受けたが、呼吸ができなくなり、救急車で運び込まれた。すぐに喉から管を入れて人工呼吸器を装着。昇圧薬や緊急透析などの治療を続けてきた。しかし細菌感染が加わり、全身状態の悪化は抑えられず、残された時間は、数日から数週間とみられた。

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