［医療ルネサンス］増える高齢者の救急搬送＜４＞協力先を確保し搬送減

施設玄関近くのソファで、管理栄養士（左）から声をかけられる入所者の女性（２月中旬、山口市で）

　「食事の量がだんだんと減ってくると、もうそろそろかな、と分かりますね」。２月中旬、山口市の特別養護老人ホーム「梅光苑」。施設長の内田芳明さん（６８）が、中庭をぐるりと囲むように並ぶ居室を回った。

　「本来の老衰死は無理にあらがったり、否定したりする必要がない、とても穏やかなものです」

　内田さんが働き始めた２０年前、入所者の容体が悪化すると、１１９番するのが当たり前のことだった。多くが最期を搬送先の病院で迎えた。「でも、今は救急車を呼ぶことはほとんどない」と言う。

　入所者は８０～９０歳代を中心に約１１０人。要介護度は年々高くなり、寝たきりも多い。持病を抱えて投薬などを必要とする人が格段に増えた。

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