［医療ルネサンス］アルコールのリスク＜１＞依存症治療　別の病気契機

クリニックで開かれた勉強会で体験を語る男性（左）と院長の杉原さん（中央）

　東京都目黒区の男性会社員（５８）は２０代から晩酌を日課としていた。４０代で管理職になると酒量が増え、チューハイやビールを７缶以上空けた。平日の昼間も飲むようになり、仕事でミスを繰り返しても、「年齢のせい」と思い込んでいた。

　約１０年前、激しい腹痛に襲われ、同区内の国立病院機構・東京医療センターに緊急入院した。診断は「急性 膵（すい） 炎」。膵臓内の血流が悪くなって組織が 壊死（えし） し、命に関わる。飲酒も原因となり、酒に含まれるアルコール量を示す「純アルコール量」で１日４８グラム以上摂取した場合、発症率が２・５倍高まる。男性は多い時に１３０グラム摂取していた。

　診察で男性の飲酒習慣を知った消化器内科医が精神科医の受診を勧めた。同センターは、アルコール依存症が疑われる患者の情報を消化器内科や総合内科、精神科で共有する体制を整えていた。男性は

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