［医療ルネサンス］シリーズ薬　医療費を考える＜１＞高額負担恐れ思い詰める

高額療養費制度見直しへの不安を、患者仲間に語る乳がん治療中の女性（手前左）（鹿児島市内で）

　「取りあえずホッとしたけど、今後どうなるのか不安でたまらない」。乳がん治療を続ける鹿児島県の女性（５０）は、ため息をつく。

　医療費が高くなった患者の支払いを抑える「高額療養費制度」の自己負担上限額引き上げについて、政府は３月、患者団体や医学会などの批判を受け、今夏からの実施を見送った。ただ、今秋までに改めて検討するという。

　女性は昨年１２月、乳がんが肺に転移再発した。１４年前に診断されてから２度の手術と１０年にわたるホルモン剤の治療を受け、「やりたいことを先送りしない」と決意して社会福祉士の資格を取得。２人の子どもは高校生に育ち、専門職として働き始めた時だった。

　分子標的薬「ベージニオ」とホルモン剤の併用療法を始めたが、ベージニオだけで１か月の医療費

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