受精卵の「出産しやすさ」判定、心電図データから「余命」予測…誕生から終末までＡＩが選別

［ＡＩ近未来］第３部　功罪の間で＜３＞

　「８・５」、「６・２」。不妊治療を手がける京野アートクリニック高輪（東京）の培養室の画面に採点結果が映し出された。受精卵の妊娠や出産のしやすさをＡＩ（人工知能）が９・９点満点で判定した。

　受精卵の細胞分裂の様子を１時間に数回、専用の器材で自動撮影している。受精卵を扱う専門職の胚培養士が、大量の撮影画像を分析し、妊娠につながりやすそうな受精卵を複数個から選び母体に戻す際、ＡＩによる判定結果も参考にする。点が高い受精卵ほど妊娠率が高いとの検証結果が出ている。

　海外の研究では、ＡＩと胚培養士の判定で妊娠率はほぼ同等だった。同クリニック培養部の奥山紀之主任（３６）は「性能がより上がれば、結果を適切に活用することで妊娠率を高められるかもしれない」と語る。

　米国では、糖尿病やがん、統合失調症などにな

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