４１歳で若年性認知症「しんどい。人に言えないことがさらにしんどい」…奮起しデイサービス開所３年「支えて、支えられたい」

デイサービスで高齢者と過ごす山中さん（中央）（１日、高知県香南市で）

　９月２１日は、認知症基本法が普及・啓発のために定めた「認知症の日」です。高知県の山中しのぶさん（４８）は２０１９年に若年性認知症と診断された後、会社を辞めて地元でデイサービスを開き、当事者としての思いを発信してきました。今年６月に当事者団体「日本認知症本人ワーキンググループ」（東京）の代表理事に就いた山中さんに、いま伝えたいことを聞きました。（小沼聖実）

　９月初旬、高知県香南市の住宅街。古民家を改装した「でいさぁびすはっぴぃ」は、１０人ほどの高齢者でにぎわっていた。毎朝、その日にやりたいことをみんなで話し合って決める。近隣の協力企業へ、清掃や洗車などの有償ボランティアに行くこともある。

　「一人ひとりが生きてきた道、やりたいことを大切にしています」。笑顔で語る山中さんは「はっぴぃ」の運営法人の代表であり、認知症の当事者でもある。

　診断を受けたのは、携帯電話会社の営業職だった４１歳の時だ。機種名や商談の約束を忘れた。

続きを読む