［医療ルネサンス］希少疾患とわかって＜４＞「遺伝性」　相談体制に課題

資料を手に診断から治療までの経緯を説明する竹永さん（北九州市で）

　北九州市の小学校教諭、竹永亮太さん（３６）は、筋肉が衰える「筋 萎縮（いしゅく） 性側索硬化症（ＡＬＳ）」を患う。今は、左足に力が入りにくくなっているが、筋力を維持するため、つえをなるべく使わずに歩き、階段は手すりを使ってゆっくりと上り下りする。

　ＡＬＳは、筋肉を動かす信号を脳から伝える神経細胞が失われることで、筋肉が徐々に衰える難病だ。国内の患者は約１万２０００人で、複数のタイプがあり、症状が進むスピードも患者によって異なる。竹永さんは、「家族性ＡＬＳ」と呼ばれる親から子に２分の１の確率で遺伝するタイプで、祖父も患い、母も闘病中だ。竹永さんは高校１年生の夏、「どうせいつか病気になる。勉強も部活も何の意味もない」と思い悩み、不登校になった。

　中学時代の吹奏楽部の顧問が自宅を訪ねてきてドライブに誘ってくれた。不登校のことは一切口に出さなかった。気持ち

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