［問う　都知事選２０２０］コロナ対策　１兆円超…「貯金」９割取り崩し

居酒屋の店内で２回目の協力金の申請を準備する経営者の松山清燁さん（２２日、東京都新宿区で）＝飯島啓太撮影

　新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は事業者への手厚い支援など、大胆な財政出動に踏み切った。その代償は大きく、自治体の貯金といえる「財政調整基金」の米びつは底が見え始めた。社会保障費の増加も確実な中、都は財政の立て直しを迫られている。

　新宿・歌舞伎町の雑居ビルで居酒屋を経営する松山清●（きよあき）さん（４２）は５月１９日、預金通帳に刻まれた「５０万円」の表示を見て、胸をなで下ろした。都が休業要請に応じた中小事業者に支払う「感染拡大防止協力金」が振り込まれたのだ。（●は、火へんに華）

　４～５月、店舗の売り上げは前年の３％に落ち込んだ。固定経費は賃料と光熱費だけで毎月１５０万円以上。「廃業も頭をよぎったが、これで生きていける」。６月に入ってにぎわいを取り戻し始めた店内で、松山さんは明るい表情を見せた。

　都は休業要請の延長に伴い、２回目の協力金支給も決定。都庁内では財政悪化を懸念して反対論もあったが、「経済対策を重視すべきだ」とする声が押し切った。協力金に充てた費用は２０００億円近い。休業要請を巡っては慎重な政府と

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