「潰瘍性大腸炎」、国内に患者２２万人…首相の新点滴は「生物学的製剤」か

　安倍首相の持病の「潰瘍性大腸炎」は、大腸の粘膜に炎症が起こって潰瘍ができたりただれたりし、血便や下痢、腹痛が続く病気だ。重症化すると、発熱や体重減少、貧血などの症状が出ることもある。一度かかると完治が難しく、国が難病に指定している。

　発症の原因は不明だが、本来は体を守るはずの免疫の働きが過剰になることや、腸内細菌、食事の欧米化などが関係するとされる。国内の患者は２２万人と推定されている。

　この病気は、症状が安定した「寛解期」と、再び悪化する「活動期」を繰り返すのが特徴だ。治療は薬物療法が中心で、炎症を抑える飲み薬で症状の再発を防ぐ。効果が十分でない時には、ステロイド薬など複数の薬を使い分ける。

　安倍首相は、症状が悪化して２００７年９月に第一次政権の任期途中で辞任したが、新薬が効果を示し、これまで飲み薬で症状を制御しながら政権を担ってきた。２８日の会見では、８月上旬に再発が確認されたと説明。現在の薬に加えて新たな点滴薬の投与を受けていることも明らかにし、「継続的な治療が必要で、予断を許さない」と述べた。

　潰瘍性大腸炎に詳しい大阪医科大の中村志郎専門教授によると、点滴薬は、炎症に直接関与している

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