［コロナの疑問］なぜ嗅覚に障害？…嗅神経の周辺を攻撃

　新型コロナウイルスに感染した人で、においを一時的に感じにくくなる嗅覚障害症状が知られています。原因は未解明ですが、研究が進んでいます。

　嗅覚や味覚の障害は風邪でも起きますが、多くは鼻水や鼻詰まりなどの症状を伴います。ところが新型コロナは鼻詰まりなどがなくても、においや味を感じにくくなるようです。

　イタリアの報告では、新型コロナの入院患者５９人のうち約３４％で嗅覚か味覚の異変がみられました。米英でスマートフォンアプリで症状を自己申告してもらった調査では、新型コロナ陽性者約７２００人中約６５％で、嗅覚か味覚に異常があったそうです。

　においを感じる「嗅神経」は、 鼻腔（びくう） の上部に集まっています。米ハーバード大などの研究チームは７月、新型コロナが細胞に侵入する時に結合するたんぱく質「ＡＣＥ２」が、嗅神経の周辺の細胞に多くあると発表しました。

　嗅神経にＡＣＥ２はありません。新型コロナは嗅神経を攻撃せずに周辺の細胞を攻撃し、その影響で嗅神経の働きが落ちていると考えられます。神経細胞が傷つくと再生に時間がかかりますが、新型コロナが完治すると、多くの人の嗅覚障害が治ります。インフル

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