若くして脳梗塞＜３＞免疫異常の難病が原因

治療の経過を示す資料を手に、発病した経緯を振り返る女子大学生（右）と母親

　子どもの頃からの難病が原因で、脳 梗塞（こうそく） を発症するケースもある。

　埼玉県内の女子大学生（２０）は１０歳から、全身性エリテマトーデスという免疫異常の難病を抱え、免疫抑制薬を服用していた。昨年５月下旬、夜に自宅近くの飲食店でアルバイトを終えて帰宅し、着替えもせずに居間で眠りについた。昼過ぎになっても起きず、呼びかけにもまともに応じない娘の状態が心配になり、母親（５２）は救急車を呼んだ。

　地元の病院でＭＲＩ（磁気共鳴画像）検査で調べたところ、脳幹部にある脳底動脈の先端部分を血栓（血の塊）が塞ぎ、意識不明で両手足が動かない状態となっていた。専門的な治療を受けるため、日本医大病院（東京都文京区）に転院した。担当医は血栓を血管内から吸い出す「血栓回収療法」を試みようと考えた。

　血栓回収療法は、太ももの付け根の動脈からカテーテル（管）を挿入し、専用の器具で血栓を吸引する治療だ。脳の比較的太い血管が詰まっている場合に検討される。日本脳卒中学会の診療指針では、遅くとも発症から２４時間以

続きを読む