マスク　聴覚障害者に「壁」～関西大と滋賀県草津市が共同調査

　マスクで口元が見えず、相手の言葉が読み取れない――。聴覚障害者が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、意思疎通に困っている実態が、関西大と滋賀県草津市が共同で実施した調査でわかった。テレワークで遠隔会議システムの音声が聞き取れないなど、当事者ならではの困難が浮かび上がった。（蛭川真貴）

　関大社会安全学部の近藤誠司准教授（災害情報論）が担当。９～１０月、草津市が市内の障害者手帳を持つ全聴覚障害者３２８人に、防災意識を尋ねる調査用紙を送った。その中で「コロナ禍で嫌な思いをしたことがあるか」と質問した。

　この問いには１２８人が回答し、うち２割の２９人が「ある」とした。自由記述では、「聞こえづらいので顔を近づけると嫌がられた」「『ロックダウン』など新しい言葉の意味がわからない」「声が大きいと言われた」などと記されていた。

　「外出しなくなった」と記述した人もいた。当事者団体の交流会や、困りごとの聞き取りなども以前のようにはできなくなり、特に高齢者が孤立感を深めているとみられる。

　調査結果について、大阪聴力障害者協会（大阪市）の常任理事・長宗政男さん（４７）は「『マスクを外して』と言いにくいので会話ができ

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