［コロナ最前線　拡大再び］＜上＞クラスター多様化

　冬を前に新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。医療現場や自治体の取り組みなどを報告する。

　「総理も、この数字には危惧を持っている。より緊張感を持って対応しなければならない」。１日の感染者が２０００人を超えた１８日、田村厚生労働相は菅首相との面会後、記者団にそう語った。

　今回の全国的な感染拡大の背景には、クラスター（感染集団）の多様化がある。厚労省によると、１６日までに確認されたクラスターは１週間で１５３件増えて２１４７件となった。夏場は接待を伴う飲食店が目立ったが、最近は大学の寮や職場、家庭、外国人コミュニティーなどに広がり、地域も都市部から地方に拡大している。

　感染者数の増加要因には検査数が増えていることもある。都内では４月には最大１７００件ほどだった１日の検査数が、今月１６日には８５００件を超えるなど検査体制は大幅に増強が進んでいる。

　一方、重症者は３～４月の「第１波」と比べて低い水準だ。同省によると、全国の重症者は今月１７日時点で２７６人で、感染者が少なかった４月３０日の３２８人を下回る。

　背景には治療法が見えてきたこともある。慶

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