ワクチン開発　強化へ提言…政府産学官協議会　研究拠点整備など

　国産ワクチンの開発や生産体制を強化するため、政府の健康・医療戦略推進本部の産学官協議会は２５日、世界トップレベルの研究開発拠点の整備などの提言をまとめた。新型コロナウイルスのワクチン開発で海外に後れをとる現状を踏まえた内容で、政府は来月初め、提言の内容を盛り込んだ戦略を閣議決定する。

　提言は、有望な研究への効率的な支援、製品化に向けた承認手続きの迅速化、国による買い上げの検討などを挙げており、総合的な対策で国産ワクチンを早期に実用化させたい意向だ。

　研究開発拠点では、人工知能（ＡＩ）や遺伝子治療の技術も取り入れ、世界をリードする成果を出せるようにする。大学の研究や企業の治験を後押しするため、日本医療研究開発機構に専門部署を置き、有望なワクチンの候補を重点的に支援する。

　早期の承認と合わせ、法改正も視野に入れ、緊急時に簡略化された手続きで使用できる制度創設の検討も掲げた。ワクチンの製造拠点整備の強化を柱に据え、緊急時には他の病気の治療薬の生産ラインをワクチン用に切り替えられる設備への投資を支援する。

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