新生児の病にゲノム解析　原因不明　半数が遺伝性…慶大など

投稿日 2022年2月25日 15:00:00 （医療総合）

　原因不明の病気で新生児集中治療室（ＮＩＣＵ）に入院した重症の赤ちゃんの遺伝情報（ゲノム）を解析したところ、約半数で遺伝性の病気が判明したとの研究成果を、慶応大などのチームが発表した。早めの治療開始に役立つと期待される。論文が小児科学の国際誌に掲載された。

　研究には８都府県１７の周産期医療センターなどが参加した。２０１９年４月から２１年３月に原因不明の病気でＮＩＣＵに入った重症の新生児８５人から、保護者の同意を得て血液約１ミリ・リットルを採取し、慶大の装置でゲノムを解読した。

　その結果、４１人で遺伝性の病気が判明し、うち２０人は適切な検査や治療法の選択につながった。腸が詰まる症状の赤ちゃんの事例では、難病の「 嚢胞（のうほう） 性線維症」と判明し、消化を助ける薬を与えることで体重が増えるようになったという。

　新生児は体に負担のかかる検査が難しく、国内でＮＩＣＵに入院する赤ちゃんの約１割は病気の原因がわからず課題となっている。チーム代表の武内俊樹・慶大専任講師（小児科学）は「的確な治療ができないと入院期間が長引いたり、

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