夜勤にともなう健康リスクをどうするべきか（上）

　こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。厚生労働省の調査（「労働経済分析レポート」２０１７年）によると、現在では勤労者の２０％超が何らかの夜勤（交代勤務）に従事しています。交代勤務は眠気が強くて能率が上がらない、夜勤明けの眠りが浅くて疲れが取れないなど、夜勤に睡眠問題はつきものです。そこで（上）（下）２回にわたり、夜勤問題とその対策について考えてみます。

　人間の活動の２４時間化、国際化が進んだ現代では、昼夜を問わず社会機能を維持する必要があります。特に、電力やガス、医療、運輸、通信などの社会インフラの維持に携わる業種は２４時間、３６５日、休みはなく、夜勤（交代勤務）に従事する人々に支えられています。また、ホテルやコンビニエンスストアなどのサービス業にも夜勤はつきものです。私が勤務する大学病院の職員の中でも、最も多いのが看護師職で、彼らの大部分は夜勤に従事しています。

　夜勤では普段は眠っている時間帯に起きて仕事をしなくてはならないので、眠気もあるし、日勤時よりも疲労感が強く、好んで夜勤に従事する人は少数派です。

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