［つながる］第１部　地域ではぐくむ＜４＞フルタイムで働けない人　空いた時間に仕事ができる「しごとコンビニ」の取り組み広がる

　子育てや高齢などを理由にフルタイムで働くのが難しいという人は少なくありません。仕事の時間や内容を細かく分け、都合がつく時間だけ勤務する「しごとコンビニ」という取り組みを取り入れる地域が少しずつ増えてきています。

　岡山市から列車と車を乗り継いで２時間半ほど。中国山地の麓に岡山県奈義町はある。人口は約５７００人。田園風景の中を車で走ると、空き家や空き店舗が目に入ってくる。

　一般社団法人「奈義しごとえん」の事務所は、町の中心部にあったガソリンスタンドの跡地を活用している。白いペンキで上塗りされた建物に近づくと、中から、子どもが「キャッキャッ」とはしゃぐ声が聞こえてきた。

　白壁に黄色の床、緑色の棚が並ぶ明るい雰囲気の室内では、同町の 元番（げんば） 幸恵さん（４２）と境野希美さん（３４）が、町が発注した地元産米の 梱包（こんぽう） 作業をしていた。元番さんが米を販売用の袋に小分けし、境野さんがラッピングしていく。

　「おかあさーん」

　託児スペースにいた元番さんの長男・ 奏順（そうじゅん） 君（５）と、境野さんの次男・晴翔君（６）が甘えてく

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