聴覚障害児が声出し会話、「金沢方式」指導５０年…カードとジェスチャーで語彙強化

投稿日 2023年3月9日 10:38:00 （医療総合）

　聴覚障害児に正しい読み書きを教え、言葉で話すコミュニケーションを促す療育法「金沢方式」の指導が、石川県内で約５０年続いている。これまでに１３０人以上の子どもが学び、社会で活躍している。昨秋から聴覚障害者が主人公のテレビドラマが相次いで放映され、手話への関心が高まる中、普及に取り組む団体は「手話以外にもコミュニケーションの手段があることを知ってほしい」としている。（高野珠生）

　金沢方式は１９７０年頃、「聴覚障害者が十分に能力を発揮できない原因は言語力にある」と考えた金沢大学付属病院の鈴木重忠博士（故人）が考案した。聴覚障害者のコミュニケーション手段には手話などがあるが、手話だけでは「雨が降る」「雨も降る」「雨が降りそうだ」など細かいニュアンスを伝えるのが難しい。文法も特殊なため、手話以外の言語の習得が遅れるおそれがあるという。

　金沢方式の指導では、家族が様々な単語を記したカードとジェスチャーを使って、日常生活の中で 語彙（ごい） を増やす。言語聴覚士による個別指導

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