東日本大震災１２年　福島＜２＞「辛抱の人」支える訪問医

投稿日 2023年3月10日 05:00:00 （医療総合）

トヨさん（右）のベッドサイドで、ハーモニカを手に話しかける本田さん（２月、飯舘村で）

　２０１７年４月。福島県飯舘村の花井トヨさん（１０１）は、避難指示が解除された翌月、長男夫婦と自宅に戻った。福島第一原発事故から６年。今の暮らしを支える一人が、昨年２月、東京から移住した内科医、本田徹さん（７５）だ。

　帰村の翌月、長男（享年７７）が肺炎で急死した。トヨさんと長男の嫁の照代さん（７３）が残された。

　失意のトヨさんは自宅で転び、ベッドで過ごす時間が増えた。変形性脊椎症や虚血性心疾患、軽い認知症なども患う。トイレも照代さんが手を引いた。

　村の人口は１５０２人で、震災前の４分の１。高齢化率は５９％。公設民営の「いいたてクリニック」は、週２回の外来を再開し、訪問看護ステーションもできた。だが、トヨさんが利用するデイサービスや訪問入浴などは周辺自治体の事

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