認知症の人の声を商品やサービスの開発に…「日本認知症官民協議会」が当事者との意思疎通のコツを記した手引き作成

　生活に身近な商品やサービスの開発に認知症の人の声を生かすため、政府や当事者団体、企業の関係者らで作る「日本認知症官民協議会」の作業部会が手引き（指針）を作成した。認知症の特徴やコミュニケーションのコツをまとめており、当事者の声を反映した商品やサービスを増やし、認知症になっても暮らしやすい社会の実現につなげたい考えだ。（沼尻知子）

手引きについて議論する日本認知症官民協議会の作業部会のメンバー

　商品やサービスの開発には利用者の声に耳を傾けることが重要だ。ところが認知症の人に向けた商品は、企業側に当事者との接点がなかったり、コミュニケーションのコツがわからなかったりして、ニーズの把握が難しいという課題がある。

　手引きは、こうした課題の解決に向け、当事者や専門医の助言を受けて作成した。認知症の人の意見を取り入れた商品開発に取り組む先行企業の事例の聞き取りも実施した。

　手引きは約２０ページ。食料品メーカーの開発部門で働く「ツトムさん」をモデルに、シンプルなイラストを使い、意見を聞くためのポイントをまとめている。

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