［死と生を見つめて］第２部　死生学＜３＞疑似体験　大切なものに気付く…授業で生き方問い直す

投稿日 2023年3月16日 05:00:00 （医療総合）

　「人生最後の大仕事」と呼ばれ誰も避けられないが、日常生活で身近に感じられない――。そんな「死」の疑似体験授業を２０年以上行っているのは、関西学院大教授の藤井美和さん（６３）だ。死生学講義の一環。２１歳の学生ががんで亡くなるまでの架空の闘病日記を読み上げて、その過程を疑似的に経験する。

「死の疑似体験授業」の感想を手にする藤井さん。人とのつながりや感謝などを大切にする意見が目立った（兵庫県西宮市の関西学院大で）

　まず受講生は、「形のある大切なもの」「大切な活動」「大切な人」「形のない大切なもの」を三つずつ、１２枚の紙に書き出す。藤井さんが「闘病日記」を朗読。病状が悪化する中で、順に破り、手放さなければならない。「死が迫る究極的な状況で、本当に大切なものに気付き、死を含めた生き方を問い直してもらうのが目的です」

　家、お金、愛、母――。葛藤し、涙を流す人もいる。最後の１枚は「母」「愛」「感謝」などが多いという。藤井さんの「

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