重症の円形脱毛症に新しい飲み薬…抜け毛　国際的な臨床試験で３分の１強の人が改善

　髪の毛が突然抜ける円形脱毛症は、生活の質を大きく下げます。これまで治療が難しかった重症患者向けに昨年６月、飲み薬「バリシチニブ」（商品名・オルミエント）が保険診療で使えるようになり、新たな治療の選択肢として期待されています。（西田真奈美）

　円形脱毛症は症状の重さによって毛が抜ける範囲は様々です。円形などの脱毛が１か所だと「単発型」、２か所以上が「多発型」、頭髪が全て抜けると「全頭型」、脱毛が全身に及ぶと「 汎発（はんぱつ） 型」と呼びます。

　円形脱毛症は、本来はウイルスや細菌を排除する免疫細胞の一つ・リンパ球が毛根を誤って攻撃し、毛が抜ける自己免疫疾患の一つです。統計にもよりますが、最近の日本の研究では患者は推計で人口の０・１６～０・２７％ほどいるとされます。

　治療法は様々です。脱毛範囲が狭い場合、炎症を抑えるステロイド注射や塗り薬、人工的に頭皮をかぶれさせて発毛を促す「局所免疫療法」が使われます。ただ、重症への治療の決め手はありませんでした。

　重症化の仕組みはわかってきました。リンパ球を活性化させるサイトカインと呼ばれるたんぱく質があります。重症化し

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