なぜ生物は水中から陸に進出し生活？「進化の謎」解くたんぱく質を特定…九大チーム

投稿日 2023年5月20日 04:00:00 （医療総合）

　細胞にダメージを与える活性酸素が多い陸上で、動物が生き延びるために重要な役割を果たすたんぱく質を突き止めたと、九州大のチームが発表した。進化の謎とされてきたが、活性酸素から身を守る分子を体内に蓄えやすいように進化し、生息地を水中から陸に広げたと考えられるという。

　論文が２０日、科学誌「サイエンス・アドバンシズ」電子版に掲載された。

　陸上は太陽の紫外線や高濃度の酸素にさらされるため、体内で活性酸素が増えやすい。陸に生息する動物がどのように活性酸素への耐性を高めたかは、進化の謎とされていた。

　九州大生体防御医学研究所の中山敬一・主幹教授（分子生物学）らは、活性酸素から体を守る分子「Ｎｒｆ２」と、その分解に関わるたんぱく質「 Ｋｅａｐ（キープ） １」に着目。Ｋｅａｐ１は別の分子「 Ｃｕｌ（カル） ３」と結合してＮｒｆ２の分解を進めるが、人間のＫｅａｐ１はＣｕｌ３と結合しにくい構造で、結果的にＮｒｆ２の分解が抑制されていることを明らかにした。

　

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