梅毒最多ペース５０００人超…今年診断　昨年より１か月早く

投稿日 2023年5月24日 05:00:00 （医療総合）

　国立感染症研究所は２３日、性感染症の「梅毒」と診断された患者が、今年に入り５０００人を超えたと発表した。現在の調査方法となった１９９９年以降で最多の患者（１万２９６６人）を記録した昨年より、約１か月早いペースだ。

　感染研が週ごとに公表する感染症発生動向調査（速報値）によると、５月１４日までの患者数は５１６４人に上る。昨年の同期は３６３０人だった。都道府県別では東京が１３３２人と最多で、大阪（６９９人）や福岡（２５７人）など都市部で感染者が多い。

　梅毒は、主に性的な接触で感染する。感染しているかどうかは血液検査でわかり、抗菌薬で完治できる。全身の発疹やリンパ節の腫れ、陰部の潰瘍などが表れるが、初期の症状は軽い。

　感染に気付かないまま他人に感染を広げかねず、特に懸念されるのが妊婦の感染だ。胎盤を通じて胎児が感染する「先天梅毒」は、死産や障害を持って生まれるリスクが高まる。

　感染研によると、先天梅毒は２０２２年に２０人が報告され、近年は増加傾向にあ

続きを読む